脳科学から見る「DM」

最近、様々なメディアで話題になっている「脳科学」。中野信子さんや茂木健一郎さんなどが有名どころだと挙げられますよね。実は脳科学の見地から見るとDMは他のメディアと比較して記憶や感情に働きかける力が強いということが最近の研究で分かってきたのです。

  • 記憶と感情に残るDM

2009年、イギリスで人が情報を紙で受け取った時とスクリーンで受け取った時の脳の活動状況の違いについてDMを使った実験がなされました。色彩、写真、コピー、メッセージなどの刺激物の一つ一つを被験者にDMとスクリーンで見せた結果、前頭葉の働きがスクリーンよりもDMの方が活性化し、特に記憶形成に重要な役割を果たす視覚処理領域と感情的な反応に関係する内側前頭葉皮質と後退状皮質がより活性化しているということが分かったのです。 

  • 手にとって指が触れることが記憶の定着を円滑化する。

DMを手に取ったとき指を使うことも記憶の定着に大きく貢献しています。記憶は脳の一群のネットワークに蓄えられていますが、時間が経てば経つほどニューロン細胞の結合は途切れ途切れになります。ですが指という回路の一部を使うことにより、回路全体が活性化され想起が起こります。記憶の流れから、指をつかえばつかうほど、記憶が保持される状態になりやすいということです。インターネットやテレビで得た知識よりも本で得た知識の方が深く記憶に定着するのは、本を手にとってページをめくることも関係しているんですね。つまり、よいDMは、長く記憶に残り、忘れられない、非常に有効な手段なのです。